こんにちは!京都市中京区のきよら矯正歯科 院長清水です。
矯正治療を始めて、どうして歯が動くのか不思議に思った事はありませんか?
特に歯を抜く治療で、抜いてできたすき間がどうなるのかドキドキしますよね。
今回は、この歯の動く仕組みについて説明します!
矯正治療で歯が動く仕組み
歯の周りには歯根膜という組織があります。
矯正の力がかかると、その歯根膜が縮んだり、引っぱられたりします。
矯正の力により、歯が歯根膜を押し、縮んで狭くなった側(圧迫側)は歯槽骨が溶け(骨吸収)、一方、引っ張られている側(牽引側)には新しい骨ができ(骨形成)、ゆっくりと歯が移動します。
歯の移動が起こるためには、まずは歯の周囲の骨が吸収される(骨を溶かす)必要があり、破骨細胞と呼ばれる細胞が骨を吸収することで矯正的な歯の移動が始まります。
歯根膜が縮んで狭くなった側(圧迫側)では、血管を含む歯根膜繊維が押しつぶされ、血流障害が起きます。
血管が完全に押しつぶされ貧血状態になったところは、周囲の細胞は栄養不足で死んでしまい硝子様変性(しょうしようへんせい)=細胞死がおこります。
一方、血流が保たれている充血した血管からは、骨を吸収する破骨細胞とマクロファージが出てきます。
破骨細胞は骨を吸収(骨を溶かす)し、マクロファージは硝子化した組織を貪食作用で吸収してくれます。
破骨細胞が骨を吸収する過程で痛みの物質と呼ばれる「プロスタグランジン」と呼ばれるホルモンの一種が作られ、このホルモンは炎症の原因物質のひとつなので歯槽骨内に炎症が起こり、この炎症が痛みを引き起こすことになります。
矯正中の歯の痛みはこのような理由からなのです。
引っ張られている側(牽引側)は、歯と骨の距離が遠くなり歯根膜が引き伸ばされます。
これにより、血管が広がり血流がよくなることで代謝が良くなります。
すると、歯根膜の周りにいた色々な細胞(骨芽細胞、線維芽細胞、セメント芽細胞など)のはたらきも良くなり、新しい骨や歯骨膜がつくられたり、セメント質を形成したりします。
どのくらいの力で歯は動くの?
歯は一気に動かすことができない!
歯を動かすときに、強い力で引っぱっても、早く動くわけではない!
強い力や無理な力をかけると、歯の周囲の血管が圧迫されて正常な骨の代謝ができなくなり、歯根や周囲の骨にダメージを与えてしまいます。
歯根吸収や歯肉退縮といった偶発症を生じる可能性も出てきます。
よって、矯正治療では、ワイヤーやゴムを利用して適正で弱い力をじわじわ歯にかけ続け、ゆっくり動かしながら骨を改造する必要があるのです。
適正な力では、歯の移動のスピードは個人差はありますが、1ヶ月に約0.2〜1mm弱です。
「そのくらいしか動かないの?」とびっくししますね!!
実際どのくらいの力で歯は動くのでしょうか?
何も装置が付いていない歯は数gの力で動きます。
ブラケットが付いている歯ではワイヤーとブラケットの”摩擦力”があるため50gから100g程の力が必要です。
また、お口の中に使う輪ゴム(顎間ゴム)も約100g程の力で使います。
早く治療を終わりにしたいと思いますが、焦らず、ゆっくりが大切です。
治療期間もどうしても2〜3年と時間がかかってしまうのも、歯や周りの骨を守るためので、治療のご理解よろしくお願いいたします!!
まとめ
本日は、歯はどうやって動くの?その仕組みについてお伝えしました。
矯正治療では、骨の改造と代謝を利用して、歯を動かしていきます。
実は、矯正治療の種類によって歯を動かすための仕組みが異なります。
ワイヤー矯正の仕組みは、こちらをご覧ください。
マウスピース矯正の仕組みは、こちらをご覧ください。
京都市中京区で矯正治療をお考えの方は、
きよら矯正歯科にご相談ください!