こんにちは!京都市中京区のきよら矯正歯科院長の清水です。
今回は、八重歯の矯正治療についてお伝えします。
日本では、八重歯は可愛いからと放置している方も少なくありませんが、
八重歯を放置していることでのデメリットもあります。
目次
八重歯とは?
八重歯とは乱杭歯(らんぐいし)とも言われ、歯がガタガタ並んでいて、矯正の専門用語としては「叢生」と言われています。
矯正の専門用語としてもう少し詳しく言うと、「上顎犬歯低位唇側転位」と言われ、上のあごの犬歯(歯の真ん中から3番目の歯)が歯が並ぶ顎の骨(歯槽骨)の低い所かつ唇(くちびる)側に位置している状態です。
八重歯って可愛いの!?
日本では、笑った時に見える八重歯は、小学生や若い頃はチャームポイントとして「可愛い」「愛嬌がある」などのイメージを与えますが、大人になるとただ歯がガタガタしていて、見た目が悪いなど社会的な印象の悪さやコンプレックスとなりやすいです。
海外での八重歯のイメージはどんな?
海外では、八重歯はとがった歯が目立ちドラキュラや悪魔をイメージさせるため、ビジネスや社会で活躍するには社会的印象がよく思われず、「みにくい」と思われるため早いうちから矯正治療をすることが多いです。
日本でも国際化が進む現在は、留学前や海外で活躍するまでには矯正治療をする方も多くなってきていますが、まだまだ少ないのも現状です。
では、お口の中でその八重歯はどのように並んでいるかご存知ですか?
実は、歯が並ぶ顎の骨(歯槽骨)からはみ出していて、本来なら治療の対象となります。なぜ?八重歯になるのでしょうか?
八重歯になる原因
ではどうして八重歯になるのか?
原因としてはいくつかあります。
その1:あごが小さい
ーあごと歯の大きさのアンバランスー
現代人のあごは、昔の人と比べると、食事の質も硬いものからパンやハンバーグ、ポテトサラダなど柔らかいもの(柔食)へと変化し、あまり咬まなくても良い食事が多くなってきました。その結果、近年の子どもたちのあごは十分に発育せず、小さくなってきています。このような、あごの小さいことが世代を超えて遺伝的に影響していきます。
なので、
先天的に顎が小さく、永久歯が正しく並べるほどのスペースが確保できない場合があるのです。
よって、歯の大きさの割にあごが小さければ、決まった長さのベンチに歯と歯が座ろうとしてもおしくらまんじゅうして、座ることのできなかった犬歯は押し出されて八重歯にとなってしまいます。
その2:歯が大きい
現代人はあごは小さくなる傾向にあるが、一方、歯は大きくなる傾向があるため、顎の大きさの割に歯が大きいと、歯並びがガタガタになり八重歯になりやすくなります。
その3:上の犬歯は生えてくる順番が後
一般的に、上の犬歯の生えてくるのは両隣の側切歯(歯の真ん中から2番目の歯)や第一小臼歯(歯の真ん中から4番目の歯)より後に生えてきます。また、原因1や2などによって、歯の並ぶスペースがないと、後から生える犬歯はその間に入り込めず八重歯となります。
その4:乳臼歯のむし歯や早期の喪失
早くにむし歯で乳歯が抜けてしまい、永久歯が生えてくるまでに時間がかかると、その間に他の歯が隙間を埋めるよう動いてしまう場合があり、結果的に犬歯が生えてくるスペースがなくなり八重歯になってしまいます。
矯正治療では基本的に歯並びに問題なければ、永久歯の歯の生え変わりの時期までは、むし歯にできるだけならずに自然の脱落を待つことが多いです。
八重歯を放置すると?(デメリット)
むし歯や歯周病のリスク
八重歯をそのままにしておくと、歯列からはみ出ているので、毎日の歯磨きがしづら、磨き残しも多くなりむし歯になりやすくなります。
また、磨き残しをそのままにしておくと、お口の中に菌が増えてむし歯菌だけでなく、歯周病菌も増えて、歯肉炎や歯周病のリスクも高くなります。
口内炎
歯列からはみ出ている八重歯は、とがったままのことが多く、食事の時に口の中を傷つけたり、擦れたりして口内炎ができやすくなったりします。
他の歯への負担
歯の機能は前歯と奥歯に分けられます。前歯は左右にギリギリとものを噛みちぎるのに役立ち、奥歯はものを上下にすり潰す役割を主にしています。なので、奥歯は上下の縦の力には強いのですが、左右の横の力には弱くなります。
そこで重要になるのが、犬歯です!
犬歯はどの歯よりも歯の根っこ(歯根)が長く丈夫で、あごが咀嚼などで横にずらされた時、奥歯に過度な負担がかからないように上下の犬歯どうしがあたり、ガイドする歯となります。これを「犬歯誘導」と言って、歯科治療の噛み合わせではとても需要なこととなります。矯正治療でも犬歯誘導は治療のゴールとしての1つとなります。
なので、八重歯が歯列からはみ出ているからと言って、抜歯することは極力避けます。歯根が曲がっていたり、骨との癒着など負の条件がない限り、矯正治療では犬歯を移動し並べていきます。
口呼吸・口臭の原因
八重歯は歯列かからはみ出ているため、口を閉じる時に八重歯が唇に当たって閉じづらくなります。口が空いた状態は「口呼吸」といい、その状態が続くと、お口の中が乾燥しやくなり、唾液の流れもないため、お口の菌が繁殖しやすくなり、口臭やむし歯の原因にもなります。
八重歯の治療法
先ずは、検査を行い治療方針・治療計画を立てていきます!!
狭い歯列に歯を並べていくには、精密検査にて抜歯治療になるか非抜歯治療になるのかはをしっかりと見極める必要があります。
矯正治療では、こどもの時期では拡大装置を使って、歯が並ぶために必要な歯列を広げる(拡大する)治療を行います。大人の治療では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正できれいに歯を並べていきます。
ワイヤー矯正
ブラケットという装置を使用します。ブラケットには「スロット」と呼ばれるワイヤーを通すレールのような部分があり、そこにワイヤーを通すとこで、ガタガタや捻れ、傾きなどを改善していきます。また、目立ちにくいブラケットや白いワイヤーもあります。
マウスピース矯正
歯型より治療のゴールまでをコンピューター上でシュミレーションを行い、透明のマウスピースを作ります。これを1日22時間以上使用し、約2週間に1回新しいマウスピースと交換していくことで、少しずつ正しい位置に歯を動かしていきます。ただし、マウスピース矯正は患者さんの使用協力に影響を受けやすく、治療の難易度によってはマウスピースの枚数が多くなり、治療期間の長期化が予想されたり、抜歯治療は予期しない移動が生じたりと適応症例が限られるため、当院では軽度の不正咬合の場合に適用しています。もしくは、部分的にワイヤー矯正を行い、その後にマウスピース矯正を併用して行ったりします。
まとめ
八重歯は日本では、子供の頃は可愛く愛嬌のあるものとして言われていますが、けっして可愛いものではなく、大人になるとガタガタと目立ち、見た目が悪いことや歯磨きがしにくく、むし歯や歯周病のリスクが高まるなど、何かと悩みが多くなります。
こどもの頃から、早い時期に八重歯にならないように、歯列を広げてあげるのも、将来の歯列を考えるとやはり良い方法の1つと言えます。
また、大人になってワイヤー矯正や、症例にもよりますがマウスピースによる矯正など治療法も様々あります。
八重歯の矯正治療は見た目だけでなく、お口の健康を守るためにも大切な治療となります。
京都市中京区(二条・烏丸御池)で八重歯の矯正治療をお考えの方は、きよら矯正歯科にご相談ください。