
矯正治療は、見た目の改善だけでなく、噛み合わせや将来の歯の健康を守るためにも有効な治療法です。
一方、「強い痛みを伴うのでは」「歯が戻ってしまうのではないか」といった不安やリスクも気になるところです。
実際に治療を始める前にリスクを正しく理解し、できるだけリスクを減らす工夫を知っておくことが大切です。
今回は、京都で矯正歯科を専門に診療する日本矯正歯科学会認定医が、矯正治療で起こりうるリスクやリスクを最小限に抑えるためのポイントをわかりやすく解説します。
矯正治療の代表的なリスク
矯正治療は非常に有意義である一方、以下のように配慮しなくてはいけないポイントが多いのも特徴です。
1. 痛み・違和感
装置をつけ始めたときや調整後に、歯が動く痛みや締めつけ感が出やすい。
2. 虫歯・歯周病のリスク増加
ブラケットやワイヤーの周りに汚れが溜まりやすく、虫歯や歯肉炎になりやすい。
3. 治療期間の長期化・計画変更
歯の動き方や成長発育によっては、当初の計画より治療期間が延びることがある。
4. 後戻り
矯正治療後に保定装置(リテーナー)を正しく使わないと、歯が元の位置に戻ろうとする。
5. 歯根吸収・歯肉退縮
歯の根が短くなる「歯根吸収」や、歯ぐきが下がる「歯肉退縮」が起こる場合がある。
6. 顎関節への負担
長期的な力のかかり方によって、顎関節症状(痛み・音・開けづらさ)が出ることがある。
とはいえ、リスクを恐れすぎるあまり歯並びや噛み合わせの問題をそのまま放置すると、虫歯・歯周病・咀嚼機能や発音機能の低下・顎関節への負担などさまざまなトラブルが出てきます。
歯磨き指導や定期的な管理で抑えられるリスクも多いので、矯正治療のリスクを理由に相談すること自体を止める必要はありません。
矯正治療のリスクを減らす方法
ここでは、矯正治療のリスクを減らし、マイナートラブルなく目的通りの効果を得るためのポイントを解説します。
丁寧な口腔ケアを徹底する
矯正治療中は、ブラケットやワイヤーなどの装置が歯に固定されるため、普段よりも汚れが溜まりやすくなります。
特に歯と装置の間や歯間の小さな隙間は磨き残しが起こりやすく、放置すると虫歯、歯肉炎、歯周病のリスクが高まるので注意しましょう。
普通の歯ブラシだけでなく、マウスウォッシュや歯間ブラシを併用したり、日常的に丁寧なケアを習慣化したりするのがポイントです。
定期的な通院を欠かさない
矯正治療中は、歯を理想の位置に動かすために装置を調整したり、治療の進み具合を確認したりする必要があります。
装置の緩みや破損があるまま放置すると、歯が予定通りに動かず治療期間が長引くことがあるので注意しましょう。
定期的な通院を欠かさず、万が一マイナートラブルがあったときに、すぐ気づけるようにするのが大切です。
定期通院は治療の安全性と確実な成果を確保するための必須項目であり、矯正治療を成功させるための基本とも言えます。
専門性のある歯科医師を選ぶ
矯正治療は、歯並びやかみ合わせの改善だけでなく、顎の成長や歯の健康にも関わる高度な医療行為です。
治療の安全性や効果を高めるには、矯正の専門知識と経験を持つ歯科医師を選ぶのもポイントです。
日本矯正歯科学会の認定医など外部にも認められている歯科医師であれば、顎の成長や歯の動き方を正確に予測し、必要な装置や力の加え方を適切に判断できます。
結果的に、治療期間の延長や歯根吸収などのリスクを最小限に抑えやすくなるでしょう。
まとめ
矯正治療は将来の歯の健康を守る治療ですが、痛みや虫歯、治療期間の延長、後戻りなどのリスクが伴うこともあります。
しかし、矯正治療のリスクは正しい知識と工夫によって大きく減らせるのがポイントです。
専門性のある矯正医を選ぶこと、丁寧な口腔ケアを徹底すること、定期的な通院を欠かさないことなど、確実な治療にすることが大切です。
京都市内で矯正治療をお考えの方は、きよら矯正歯科にご相談ください。